中洲から消えゆくネオン???

 九州1の歓楽街、福岡市博多区中洲の象徴とも言える那珂川べりのネオン群に、異変が起きている。最も目立つ西大橋‐春吉橋間は、広告塔の4分の1以上が光を失ったままなのだ。九州進出を図る企業や地場企業が「中洲にネオンを出すのはステータス」と、夜の彩りを競ったのも今は昔。企業の経費節減やインターネット広告の普及による「ネオン離れ」が加速している。 (博多まちなか支局・山路健造)

■広告主求め躍起

 西大橋‐春吉橋間の両岸に設置されているネオン広告塔は計28基。そのうち8基が、看板が外されて枠組みだけになっている。

 中洲地区の飲食業者でつくる中洲町連合会によると、6月は多くのネオン広告の契約更新時期に当たる。屋上を利用して広告収入を得ようと、各ビルはこの時期、スポンサー探しに躍起だ。しかし、新規の顧客開拓どころか、現役の広告主の中にも「賃料が上がるようなら、更新を考え直さなければならない」(プロミス)と慎重な企業があり、苦戦している。

 ネオン広告の設置費は約2000万‐5000万円、年間維持費は約500万円という。「広告を下ろす場合にも、設置費と同程度の撤去費が必要」(ある広告主)なことから、企業としても安易に手を出せない事情がある。

■地域限定が壁に

 社名を大きな英字で書き、長く親しまれたニコン(東京)のネオン広告は、近年姿を消した。同社広報・IR部は「知名度はある程度得られた。ネオンや看板は効果が地域限定のため、福岡に限らずあまり出さなくなった」と理由を説明する。

 「最盛期に比べると、仕事量が6分の1に減った」と嘆くのは、ネオン広告の設置を請け負う業者の団体、全九州ネオン工業協同組合の中田慶蔵理事長。ネオン広告業界が低迷する最大の要因は、インターネットの普及だとみている。

 新商品が出るたびに簡単に広告の内容を更新でき、瞬時に膨大なパソコン利用者に届くネット広告に、企業の軸足が大きく移ったというのだ。重ねて、中洲自体もひところほどの元気がない。中田理事長は「もし福岡オリンピックが実現していれば、スポンサーが中洲を見る目も違っていたかも」と苦笑する。

■LEDや布地も

 ネオン広告業界も、厳しい現状に手をこまねいているわけではない。省電力で色彩の変化も多様になる発光ダイオード(LED)の利用や、維持費を軽減するため布地の看板に光を当てる方式など、広告主の呼び戻しに知恵を絞っている。

 ネオン群のほぼ中央に自社の広告があるアサヒビール(東京)は「中洲は九州を代表する場所の1つで、庶民性も高い。そこに自社の看板商品を出すことに意味がある」と、ネオン広告の効果は低くないと強調する。中洲を目指す道すがら、自社のビールや焼酎の看板を目にした人が、店に着いてから注文してくれる期待も込めている。

 地元の明太子メーカー、やまやコミュニケーションズ(福岡市)も「中洲には全国のいろんな所から人が集まる。看板を出すことで、人々に覚えてもらえる」と話す。

 その時々で隆盛を誇る企業が広告主となってきた中洲のネオンは、川面に時代の影をも映してきた。まばゆいばかりの輝きは、再び戻ってくるのだろうか。

=2007/05/28付 西日本新聞朝刊=


確かに、あって当たり前だったネオンがついてないですね。
維持費を見直してでも着けたいですが、どうなんでしょうか。
たしかに、オリンピック開催ともなっていればそこまでは行かなかったかもしれませんが、
ただ、裏を返すと今でもついているネオンが、「目立ってきた!」とも言えますが....。

それとも、「昼の中洲」vs「夜の中洲」で何か盛り上げられたら違った街が出来るかも。
これには相当な「!?」が必要ですし、天神に勝るものとはいったい....。

これができれば、べガスみたいなエンドレスシティができて、
さらに観光が増えるか、大赤字になるかのどちらかでしょうね。

でもそれを変えるのも中洲に行ってる「大人」でしょうから、
「中洲は夜じゃ~」で、話し終わりそうですね。

ネオンから話はそれますが、
どっか安心して遊べる「子供の街」が出来たらいいのに....。
そう思います。

内村陽一のブログ

XOWAY|Cross Ringway Inc. 有限会社クロスリングウェイ 代表

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